【オーストラリア】給料未払いはFair Work Ombudsmanに報告!(トライアル・週末時給etc .)
留学生の皆さん。オーストラリアでの仕事探しは日本と違うところが多く、何も知らないのに言われるがままに無給で働いていませんんか?もしかしたら、あなたは支払われるべき給料をもらわずに違法に働かされている可能性があります。
雇用契約書を交わしていなくても、留学生でもワーホリでもルールは同じです。
以下に当てはまる人は、泣き寝入りせず「Fair Work Ombudsman」に相談しましょう。(英語を喋れなくても大丈夫です)
例えば以下の場合⏬
・トライアルとして2日以上(場合による)働いた
・数日働いた後、辞めることになった
・トレーニングの一部として教材動画を見た
・新店舗でオープンのための準備を手伝った
・給料未払いなのにボスと連絡が取れなくなった
*この記事は、Fair Work Ombudsman 公式サイトの情報をもとに私の実体験と合わせて執筆しております。誤情報にならないよう最新の注意を払っていますが、正確な詳細は問い合わせまたは公式サイトを参照してください。
給料が発生する労働
- トレーニング
- 集団会議
- オープンとクローズ作業
- 理不尽なシフトでのトライアル
トレーニング
トレーニングというのは、特別なポジションで技術を身につけるまでの過程を言います。例えば、フォークリフトなどの特殊な機械の操作技術、レストランなどで言えばバリスタやバーテンダー、シェフのようにある程度の技術がその職種で実践的に使えるようになるまでにトレーニングが必要といえます。
集団会議
実際に仕事の作業をしていなくても、仕事に関わるミーティングや面談などは労働に含まれます。
オープン・クローズ作業
当たり前ですが、職場に着いて作業を始めてから完全に職場から帰れる状態になるまでは労働時間です。カウントされていない時間帯は、仕事に関する作業はする義務はありません。オーバータイム(時給が割増になる)になる場合でも労働者に給料を受け取る権利があります。
理不尽なシフトでのトライアル
トライアルというのは、その人材がどれくらい働けるのかを査定する期間。技術レベルを見極めるのに必要な時間以外は、トライアルではなく労働時間にカウントされます。ウェイトレスとしてのポジションに応募した場合、技術査定に関係のない皿洗いや、お店の掃除などを長時間させることはトライアルとして認められません。
雇用契約が交わされていない場合は、労働協定に記載されている最低賃金が適用されます。
無給が認められる労働
無給での労働が発生することがあります。例に、職業紹介や職業体験、インターンシップ、ボランティアが挙げられます。トラブルを起こさないためにも、以下のような無給での労働が認められるケースも同時に知っておくことが大切です。
・業界の職業経験を提供する場合
・就職の支援の一環として、正式なプログラムからトレーニングまたは職業体験を提供する場合
・人材の技術査定をするための期間の場合
・ボランティアとして非営利目的の団体に労力を提供する場合
しかし、正式に雇用されている労働者の場合はトレーニングの期間中も給料が発生します。
実際のケース(実体験)
私が実際に経験し、一般的によく起こっているであろうケースを紹介します。
バリスタ(経験者)のポジションへ応募し。返信が来た新オープンのカフェに面接へ行きそのままトライアルを1時間程度しました。さらに採用がその場で決まり、週2日から働くことに。雇用契約が交わされる前に開店準備を含めて3日ほどフルで働いたのですが、仕事内容が期待していた物ではなく自分のスキルアップには繋がらないと思い当日付で辞めることをボスに伝えます。その後、「働いた3日分の給料を払ってもらいたい」という旨をメッセージするも返信が途絶えます。
この場合、雇用契約(契約書)が交わされていませんが労働者(私)には給料を受け取る権利があります。無給でのトライアル1時間は妥当ですが、新店オープンのための準備から実際に営業中に働いた3日間の給料は支払われるべきです。
労働法を守らないオーナーは多く、何かと理由をつけて無給で何日も働かせたり連絡を経って逃げる人もいます。特に多いのが「うちはトレーニング期間は1週間だからその間は給料は出ない」「契約書を交わしていないから給料の支払い義務はない」「辞められて困るのは店側だから、給料は払わない」など、これらは違法なお店ルールでしかありません。
不当な理由で給料の支払いを拒否された場合は迷わず「Fair Work Ombudsman」へ相談しましょう。違法経営者が最も恐れているのがFair Workです。
Fair Work Ombudsman への連絡方法
よく耳にするのは「Fair Work」(フェアウォーク)ですが、Fair Work には「Fair Work Ombudsman」と「Fair Work Commission」の二つがあります。
給料の未払いや、不当な賃金での雇用などの問題は「Fair Work Ombudsman」が対応しています。
- 賃金および権利についての情報および助言
- 無料の計算ツール、テンプレート、オンライン講座
- 職場の問題解決に協力
- 職場に関連した法律の違反を対象とした調査および法
の執行
国内電話番号13 13 94
翻訳・通訳サービス(TIS)131 450(無料)
翻訳サービスを利用する場合は「Fair Work Ombudsman」に電話したいと伝えるか電話番号13 13 94を伝えます。
直接ダイアルした場合はいくつかの選択肢がありますが、相当する項目がない場合は何もせずオペレーターに繋がるまで待ちましょう。大体20分〜30分程度の待ち時間があります。
オペレーターに繋がったら、自分の状況を詳しく説明します。指示に従って手順を踏んでいきますが、ほとんどの場合はフェアウォークが直接動く前に、自分から雇用主に「通知メール」を送ることになります。
通知をしてから1週間の期限を設け、それ以降になっても給料が支払われない場合は再度Fair Work Ombudsmanに連絡をし、協力を求めます。
雇用主としては、支払いを拒否し続けるとフェアウォークからの調査が入ったり法的な処置が執行されてしまうので、最初の通知メールの時点で給料を支払ってくれるケースがほとんど。
① 不当な給料の未払いかどうかを確認する
自分の状況が、給料の受け取りに相当するかどうかの確認。
②雇用主と話す
自分に給料を受け取る義務があることを話し、支払いをお願いします。
③通知メールを送る
証拠に残る文書で通知をします。期限までに支払いがない場合はフェアウォークに報告をしますという旨を記載。一般的に通知から1週間の期限が妥当とされています。
④Fair Work Ombudsman へ相談
雇用主が支払いに応じず、自分では解決できないことを伝えます。
詳しい報告手順はこちらのリンクから。通知メールの例文なども紹介されています。
オーストリアで働く時の注意点
オーストラリアでの最低賃金や、職場で保護されている労働者の権利などの基本情報は
「フェアワークに関する情報の説明書」で、日本語でわかりやすく説明されています。オーストラリアでの生活に役立ちますので一度目を通しておきましょう。知らずに損をする可能性がありますからね。
留学生やワーホリ生など海外から来た若い人たちはオーストラリアの法律に詳しくないのを良いことに、不当な賃金で働かせたり給料を支払わない、など平気でしてきます。
オーストラリアで働く場合は4つのことに気をつけてください。
①タイムシートは自分でも記録しておく
故意的でない場合もありますが、働いた時間と実際に支払われる給料が違うという状況はよくあります。今回、紹介したように何かトラブルがあった場合に個人の記録も重要な証拠になりますので携帯のメモや「アプリ」を利用するなどして働いた時間の記録を残しておきましょう。
②契約書は隅々まで目をとおす
基本的に契約書はしっかりと読んでおきましょう。目を通す時間をくれない時は、一度家に持ち帰って後日持ってくると伝えましょう。その場でサインを強いてくる職場は、違法なことをしている可能性大です。
③自分の雇用形態について理解しておく
留学生はカジュアルで雇われることが多いかと思いますが、フルタイムやパートタイムとの雇用ルールが違うことを理解しておきましょう。例えば、最低時給も違いますし、カジュアルは仕事を解雇・辞める時に雇用者、労働者のどちらともノーティス(事前通知)は必要ありません。
2週間のノーティスを出す方がお互いにとって良いですが、法律的にはそれが必要ないため実際には「ノーティスがなかったから給料は払わない!」みたいな言い分は通用しません。
さらにオーストラリアでは週末・祝日の時給は割増(ペナルティレート)になります。これは雇用形態に関係なくです。このペナルティーレートを支払わなくても良い場合もありますが、ペナルティーレートの代わりになる労働者の待遇が良くなる規定の場合のみ採用されます。
④ペイスリップは2年は保管しておく
こちらは今回のようなフェアウォークへのレポートに必要な場合もありますし、タックスリターンの時にも必要になったりします。オーストラリアでは2年後とかになって問題が発覚したりすることが結構ありますので、最低2年は保管しておきましょう。ペイスリップのない職場は論外ですよ!